第5章 二人でアオハル
は衝撃に耐えられず目を閉じた。
ものすごい激突音と土煙が登っていた。
「うーん、バカっぽそうに見えてもさすがは特級だねー。あれじゃ死なないか。」
五条は言った。
はうっすらと目を開け、下に視線を向けた。
紐状のものが重なり、球体になっていた呪霊には大きな穴が開き、そこからぼたぼたと紫色の体液が流れ落ちていた。
「傑ぅー!そっちはー?」
少し離れたところにいる、夏油に五条は声をかけた。
夏油は何体か呪霊を出しているが、主に戦っているのは生徒たちのようだった。
夏油はあくまでサポートにまわり、危ないところは助けつつ、生徒たちに経験積ませているようだ。
「問題ない。」
手を上げ、私たちに笑いかけると、五条はゆっくりと地上に降りた。
「さて、のことも少し気になるけど、それは研修が終わってからにしよう。とりあえず僕たちも終わらせますか。僕のナーイスでちょーかっこいい技みたい?」
五条の背中ではうねうねと触手のような気持ち悪い呪霊が近づいて来ているというのに、五条は気にもせずに言った。
【赫】によってつけられた傷もほぼ治りかけていた。
「み、未知の世界すぎて、今何やっても悟さんがかっこよく見えるかも。」
が正直にそういうと、五条は満足そうに笑った。
「完璧なお返事!さっすが僕の彼女!はりきっちゃおー。」
五条は先ほどのように右手を差し出した。
「はーいちゅーもーく!右手に見えますのが【赫】」
同じように何かのエネルギーが指先に集まり、赤い小さな球が出来上がった。
「左手に見えますのが【蒼】」
風が巻き起こり五条の瞳のような美しい青いエネルギーが五条の左手に出来上がった。
「す…ごぃ…」
「この二つの色が合わさると何色になるでしょーか!はい!さんっ!」
「えっ!?」
学校の先生に問題を当てられたかのように言われ、は背筋を伸ばした。
「え、えっと…赤と青で、ムラサキ?」
「せーかいっ。……虚式【茈】」