第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
五条はここ最近、傑と高専での周りのことを調べていた。
総監部が浄化の力を認める。という噂を流した人物を探していたのだ。
「悟。」
「おー、傑。なんかわかった?」
「あぁ。総監部に浄化の力がどんなものかを伝えた人物を見つけた。ここを離れよう。」
高専だと誰が聞いているかわからない。
五条と夏油は、五条家の屋敷に向かった。
五条家の部屋に入ると二人はソファに向かい合って座った。
「そういえば、の家に行ったんだろ?」
「ん?行ったよ。」
「五条家で婚約者のふりをするって提案したのか?」
「したけど。」
「断られたんだろ?くくっ。」
思った通りの反応に五条は夏油を睨みつけた。
「断られてませーん、考えとくって言われたんですぅ。」
「たいして変わらないだろ。で?」
「別に。膝枕して寝かせて帰った。」
「…膝枕?」
流石の夏油もそこまでは予想していなかったようで、意外そうな顔で五条をみた。
五条はにやにやとしていた。
「そ。膝枕。進展しただろ?」
「なんでそんなことになったんだよ。」
「夜眠れないんだと。」
「…が?」
「あぁ。かなり顔色悪かった。」
「今回のこと、そんなに追い詰められてたのか。」
色んな家から声がかかるのはにとってかなりのストレスなのかと、夏油は思ったが、五条は首を振った。
「いや、知らない情景を思い出して眠れないらしい。」
「それって。」
「あぁ、僕かもっ!」
急に乙女チックに声を高くする五条は、嬉しそうだ。
「だから膝枕して、よしよししてあげたら寝たよ。」
「寝れたのか?それなら良かった。…手を出してないだろうな。」
「必死に我慢した。」
「思い出して、くれるといいが。」
夏油は机のコーヒーに手を伸ばし、親友を案じた。