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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第19章 もう一度貴方と (番外編3)



とある日、私は神社からの依頼で小さな分校に来ていた。

西日本(といっても、私の活動範囲はとっても狭く近県だけだが)を中心に、個人で浄化の仕事をしていた。


幽霊や曰くのある場所などに赴いては、今日みたいにちまちま浄化の仕事し、私の手に負えない時は、高専に繋いでいた。




「おいで、みんな帰ろう。」


祈るように弓を引いて、見えない浄化の矢を放つ。



そうして、誰かを呪う心を綺麗にしては、呪霊たちを空へと帰していた。




帰りたい呪霊はそのまま消えたりするが、たまに負の感情を無くしたガワだけになった呪霊が私についてくることがあった。



「あなたも来る?」

目が四つある大きな犬のような灰色の毛の呪霊が、私の横に来て、鼻先をツンと当ててきた。

私の家にいる呪霊の中には、こんな大きな呪霊はおらず、みんな小さな子たちばかりだ。


「…呪霊なのかな。」

目が四つとはいえ、とても綺麗な大きな犬だ。頭は私の肩くらいにあった。


「帰るけど、キミは大きいね。…電車なんだけどな。」


大きな犬をどうやって連れて行こうか私は迷った。



“わふっ”


小さく鳴くと犬は伏せの状態になった。

「…?」

こちらを見てくるが、何を言いたいのか分からず私はわんこの頭をヨシヨシと撫でた。
するとわんこは私のお腹に鼻先を押し当てるとぐるんっと私を放り投げ、背中に乗せた。

もふっと全身に当たるふわふわの毛に、私は落ちそうになりぎゅっと捕まった。


「わっ…!!うわっ!!」

目を開けるとすでに空を飛んでいた。


「ひぃぃ!」


全身に風が当たり、私は落ちまいとわんこの背中にしがみついた。


「と、飛んでるっ!!」


わんこの背中に乗り、空を飛ぶ。


聞こえはいいが、私は落ちるのが怖くて景色を楽しむ余裕なんてなかった。



「飛ぶなら、言ってよ…!ゆっくり…!ゆっくりお願いしますぅぅぅー!!」

私の願いとは裏腹な空を駆ける灰色のわんこは急降下していった。




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