第15章 二人の未来
悟さんはじっと私を見下ろした。
「高専に所属して、浄化の仕事をする?」
「うーん…。浄化を認めてくれるかな…。とりあえず、着替えてくるよ!」
私は誤魔化すように悟さんの横を通り過ぎ、自分の部屋に戻った。
「はぁ。」
ひと呼吸。
私は顔を洗ったりなど、一通り準備を終えた。
「。」
「はいはーい。」
悟さんが部屋に入ってきた。
「これからのこと、一緒に考えようよ。」
「一緒?」
悟さんは私の手を取って、ソファにうながした。
「一緒。恋人でしょ?」
隣同士に座った悟さんは私の頭を撫でた。
「はこのままここに住めばいいし、浄化は僕たち術師にとってもかなり助かる力だと思ってるよ。」
「うん。」
「だから、上の連中に“浄化の巫女”の地位を認めさせて、が…」
「悟さん。」
私は悟さんの手を上から握った。
少し前から悩んでいたこと。
ずっと、切なくて守りたくて大切にしたいことーー
「私は高専にはいられない。」
「?」
「結婚しようって言ってくれてありがとう。凄く嬉しかった。この上なくあなたを愛していると心から思えた。でも…」
「……。」
私はぎゅっと、悟さんの手を強く握りしめた。
「私は結婚できない。……ごめんなさい。」