第15章 二人の未来
『つまらん。』
その日、私は宿儺の横に座っていた。
汗をダラダラ垂らし、ソファに座らされている。
『つまらんぞ、小娘。』
「…はい。」
私は右手を差し出してる。
宿儺は私の指をペロリと舐め、ため息をつくとぽいっと私の手を投げ戻した。
「何。ちゃんと契約通り血あげてるでしょ。」
宿儺と反対の隣には悟さんが座ってる。
「血がいいんでしょ?阿曽巫女の血。ほら、舐めなよ。それくらいなら許してあげるから。」
私の右手の人差し指の先の切り傷から小さく血が出ている。
悟さんは私の右手を宿儺に差し出した。
『暇つぶしをさせろと言ったのだ、糞術師。』
「じゃあ、トランプでもする?」
ひっ。と私は息を呑んだ。
宿儺相手に悟さんったら何を言ってるんだ…!
『小僧から30分奪ってやったのに、何故貴様がいる。いね。』
「やだね。素直にの血じゃなくてを抱きたいって言いなよ。遠回りでキモイよ。」
右側からの禍々しいオーラがひしひしと感じて私はここからいなくなりたかった。
『いい暇つぶしができた。術師、立て。相手をしてやろう。』
「え、やだよ。宿儺、まだ指5本分でしょ?相手にもならないね。」
「さ、悟さん。」
煽りまくる悟さん落ち着かせようと、私は悟さんの膝に手を置いた。
「宿儺はきっと、平安の時に阿曽巫女さんと仲良かったんだよ。だから私を通して彼女みてるんじゃないかなって思ってる。」
「え、純愛じゃん。」
『…死ね小娘。』
「えっ!?なんで!?」
『性格も容姿も……』
私を睨みつけ、ふんっと鼻を鳴らした。
そして、それ以上何も言わなかった。
え?似てるの?似てないの?どっち?
『もういい。糞術師がいるなら必要ない。小僧!戻れ!』
私と悟さんはじっと、座ったまま彼の顔の模様が消えていくのを見た。
『小娘。力、戻ったんだな。』
「戻る?増幅させたんだよ。この石のおかげで。」
『小娘の力が強すぎるから、石に力を分け封印していたんだ。もう石は必要ないはずだ。』
ーー…え?
『封印は解け、時はきた。あの特級がお主を喰らいに来るぞ。』
くくっと笑って宿儺は目を閉じた。