第12章 二人は
お風呂から出て、私は悟さん白シャツを着た。
190を超える男の人のシャツはそれはもう大きい。
「おっきいー。」
「はは。なんか寒そうだな。」
タオルを首にかけ、水を飲みながら悟さんが笑った。
「首元もダルダルだ。」
悟さんもリラックスしてる時はもともとオーバーサイズの服を気がちだったから、余計にだぼだぼだ。
「さっき着てた悟さんのピチッとした服のほうサイズ的に合いそうじゃない?」
「それはだめ。」
ぴしゃっと言う悟さんに私はしょんぼりした。
あの服は戦闘用とか、大切な服なのかもしれない。
「そのだぼだぼが可愛いんだから。それがいい。」
「…。」
私の太ももあたりを凝視しながら悟さんは真顔で言った。
悟さんもお揃いの白いシャツに袖を通した。
「あは、お揃いだ。なのに同じに見えないね。」
私は肩あたりをくいっと引っ張った。
大きすぎて下着の肩紐が見えてしまう。
少し品がないかな…。
「エロくて可愛い。」
悟さんはタオルを持って私の髪の毛を拭いてくれながら、私の頭頂部にキスをしてくれた。
太ももの真ん中くらいまで丈があるから、本当にこの一枚で大丈夫そうだ。
「今日…ここで寝てもいい?」
「そのつもりだったよ。」
私は悟さんの腰に抱きついた。
「でもあんまり誘惑はしてこないでね。ここ2日、寝てないんでしょ?食事もすぐ用意させるから。食べて休もう。」
私は嬉しくて抱きついたまま悟さんの胸にすりすりとした。
「…誘惑しないでねってば。」
「してませーん。」
私は悟さんから離れると、悟さん手からタオルを取って悟さんの手を引っ張り、ベッドに座らせた。
そして、悟さんの髪の毛を拭いてあげた。
猫っ毛ですぐ乾きそう。
ふわふわになっていく髪の毛に、私は悟さんの後ろの首元に手を触れた。
「後ろの刈り上げ、気持ちいいね。」
じゃりじゃりと触れると、悟さんが私の手を取った。
「くすぐったいから。ほら、今度はの番。」
私達は場所を交換すると、悟さんは私の髪の毛を優しくドライヤーをかけてくれた。
「温かくて気持ちよくて寝ちゃいそう…。」
本当に寝そうになるのを私は必死で我慢した。