第11章 二人の絆
「当主である五条悟さま、当主代理である加茂憲紀さま。相違ございませんでしょうか。」
「異議なし!早く終わろ!憲紀もないよね?ないでしょ!」
先程の当主らしいかっこいい雰囲気はどこに行ったのか、さっさと終わらそうと必死だ。
「もちろんありません。結果の通り、浄化の巫女は五条先生が連れて行ってくださって構いません。加茂家はそれに対して何も言いません。」
「では、これにて御前試合を終了といたします。追って正式な文書を御三家各所に送付いたします。」
「よっし。これでもう上の連中も禪院家の連中もに何もしてこないはずだ。」
そう言って悟さんは私をわしゃわしゃとなでつけた。
今回のことだけでなく、これから先のことを考えての御前試合だったのだ。
私は正式に五条家の保護下にいることになった。
「よかったな、。」
「うん、傑さんも色々ありがとう。」
「よっしゃ俺の勝ちだな!変な鏡みたいなのいっぱい出してきて焦ったぜ!」
「それを全部壊すってパワープレイ過ぎだろ。」
虎杖くんと野薔薇ちゃんが向こうで話している。
「虎杖くん。信じて宿儺と変わってくれてありがとう。」
「うん…でもなんか契約させられたんだろ?大丈夫か?」
「なんとかなると思う。」
「さん、なんか色々巻き込まれて大変じゃん。」
「あはは、でも悟さんと傑さんが助けてくれたから。野薔薇ちゃんも気にしてくれてありがとう。」
「はーい、二人はそろそろ恵と合流。伊地知からの任務受けてねー。」
悟さんは手をぱんぱんと叩いて、2人を急かした。
「は早く着替えて、休まないと。」
悟さんに言われ私は自分の身体を見た。穴の空いた着物に、血がべっとりつき、髪の毛や顔にも血がついている。
ここ最近寝れてもなかったからきっと顔色も悪い。
「。抱き上げようか?」
「傑?何言ってるの?」
手を広げて笑う傑さんに悟さんは私の帯の後ろを掴み引き下がらせた。
「私が抱き上げるのが嫌なら、さっさと連れて休ませろ。あとはやっておくから。」
「…わかったよ。あとは頼んだ。」
悟さんはすこし照れくさそうにしながら、私をひょいっと抱き上げると瞬きするころには、屋敷の上空にいた。