第2章 二人はずっと一緒
五条悟は次の日、高専にきていた。
巻き込んでしまったという人物を調べるよう伝達すると、まずは教室に向かっていた。
「ふぅーーー。」
大きく息を吐く。
本当に面倒なことになってしまった。と、五条は考えていた。
よりにもよって非術師の女を巻き込んでしまったのだ。
彼女が昨日五条の肩に触れた途端、心臓に違和感を覚えていた。
最初に触れた人物と繋がるよう、彼女に術式を組み込んだのか、解呪しようにも心臓がもちそうになかった。
同時に無理やり解呪をして、素早く反転術式で心臓を治すーー…五条の心臓は間に合うかもしれないが、きっとには無理であろう。
「ーー…そうなったときは、彼女を諦めるしかないかな。」
最悪の事態を想定して、五条が自由に動くには、を切り捨てる選択をしなければならないだろうと、五条は学校の校庭に目を向けた。
生徒たちが組み手をしている。
「ま。それは最後の手段かな。」
とりあえずは、この呪いをかけてきた呪霊を探さなくてはならない。
「悟。」
廊下の先で声をかけられ、五条はそちらに顔を向けた。
「よ。傑。」
ぴっと右手をあげ挨拶をする五条の視線の先には、夏油傑がいた。
「大至急って言うから、何事だ?」
「んもー、聞いてよ!」
明るく言うわりに、内容は自分の心臓を他人が握っているという、ヘヴィーな内容を、五条は夏油に話した。
「それ。本当に呪霊の仕業か?」
「んーー。僕見てないんだよね。ちゃんが言うには30代の女性に話しかけられたらしいけど。」
「呪霊を操った呪詛師の可能性は?」
「ちゃん、非術師だから話しかけられた女性が人間なのか呪霊なのか、判断できないんだよね。」
「…非術師なのか。」
頭を抱える男二人。
「あーあ!お手上げだよ。4級以下の呪霊にやられちゃうなんて!」
僕プライドズタズタさ!
小さな会議室で、五条は椅子にだらりと座っていった。