第8章 二人で一緒に
「その対価って何。」
『それも言わん。何故術師、貴様に教えねばならんのだ。』
『知りたきゃをよこせ。』と、嘲笑うかの様に言う宿儺に、悟さんも笑みを浮かべた。
「浄化ができるを嫌う呪霊と、僕とを繋げたかった呪霊がいるということはわかった。そうだろ」
『…。』
悟さんの言葉に宿儺は口を閉じた。
「呪霊が僕とを繋げる理由。僕を狙ったと思っていたけど…。を守らせるため。違うか?」
『…さぁな。答えが知りたければ聞けばいい。対価とともにな。』
「対価が何かわからない以上、は渡さない。大人しく悠仁の中で指を咥えてるといいよ。あ、指はいま全部揃ってなかったんだったね。」
ふっと笑う悟さんに、がくっと力が抜けた虎杖くんが急に宿儺に変わった。
悟さん…揺さぶるとは言っていたけれど、ここまでわざと怒らせるなんて!
入れ替わってしまった宿儺は私の方を指差した。
『今や、呪霊だけでなく、呪詛師も狙っているということ忘れるな。』
響く低い声で宿儺は言った。
『浄化のことだけでなく、お前たちが繋がったことが知れ渡ったぞ?くくく』
私たちの心臓がつながっていることがバレたと言うことは、五条悟を狙う人間まで私を殺そうとしてくるってことだ。
悟さんは私を背中に隠し、ぐっと手に力が入っていた。
『せいぜい逃げ回り、苦しんで死ぬがいい。くくくくっ。』
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「あ、話終わった?」
またころっと入れ替わり、明るい声になった虎杖くんに私はほっとした。
「…なんか俺聞いてよかったのかな。」
「宿儺の言うとおり知れ渡ってるなら、意味ないだろうけど、悠仁はお口チャックね。」
「おうっ!言わねぇ!さんになんか不思議な力があるってことだろ?言わねぇから!」
「じゃあ、僕とはこのまま少し出るから、あと頼んだよ悠仁。」
そう言って、私たちは虎杖くんに手を振り車に乗り込んだ。