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Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜

第40章 たまたまじゃない。



 ビクっ。

 俺の問い掛けに。必死に 涙を止めようと。でも止まらなくて。ヒックヒックとしゃくり上げていた未唯彩が、一瞬動きを止めてから。


「相葉センセ?」

「うん」

「私と楓未奈の見分け方分かる?」

「え?」

 俺は、担任じゃない。未唯彩のクラスの体育を担当している訳じゃない。体育館から彼女のクラスを……廊下とかで顔を合わすと軽口の叩き合いになっちゃって……


 ん?

 たまたまじゃない。


(そうだよ。違和感に気が付いてたのに……俺、 何見てたんだろ)

 廊下で軽口叩き合っていた時、隣にいた楓未奈も長袖だった。体育館から見える3−Aにいた未唯彩も長袖。教室では楓未奈は見た事なかったけど。きっと長袖だったよね。

 今は、猛暑。その中でも……

 そして、廊下で見掛けた時に思ったのは。


「未唯彩は右側の目の下に、楓未奈は左側の目の下にホクロがあるよね?」

 なんで気が付いていたのに……アクションを起こさなかったんだろう?

 ゴメンな。未唯彩。楓未奈。

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