Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第24章 雅にぃ。ここに居ないのに、存在感が凄いね
(結翔ちゃんを好きなのに……)
「オイラ、梨良ちゃんに甘えてるよね」
「智くん?」
(どういう意味?)
「梨良ちゃん。ゴメン。椅子持って来て座りな?」
「ぇ、あ、うん」
智くんの言葉に甘えて、座る事……違うっ。
「ゴメンね。智くん。目の前に立ったりして」
「もう!梨良ちゃんはっ。遠慮しいなんだからっ。目の前に立ったのなんか気にしてないし、むしろ、座りなよ。って、言わなくてゴメンなのっ!もっと図々しくなりなさいよ!」
「うん。でも、図々しいのって、時に、ちょっと!ってならない?」
「雅紀くん?あ、兄上を図々しいしい!とか、ゴメン」
クスッ。雅にぃ。言われてるよ?
「いいの!雅にぃは心配性からくるさ。ありがたいけど。今はちょっと1人にして。って時にさ『大丈夫?』『どうした』?って、返って疲れる……」
「アハハハハ!」
智くん。大爆笑。なんか、智くんが笑ってくれて嬉しくて。
「うふふ、雅にぃ。ここに居ないのに、存在感が凄いね」
雅にぃ。疲れる。って言ってゴメンね。雅にぃみたいに、きちんと声に出して人に優しい言葉かけられる人間だったらな……
「梨良ちゃんいつも、オイラの話をさ、聞いてくれて。泣いてくれてありがとう」
不意ウチな智くんの言葉っ。
涙がっ。溢れて止まらないよ……