Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第97章 智くんの言葉に一喜一憂しちゃうの
梨良から智へ
梨良side
『面白いリアクションするよね』
私、智くんの言葉に一喜一憂しちゃうの。それが滑稽に見えていたのかな?
智side
「俺、言葉を知らな過ぎだよね。自分の興味ある事はトコとん追求するのにね」
梨良ちゃんの涙にチラチラと見てくる来場者達。
「梨良ちゃん、コーヒー飲みに行こう?」
俺は、梨良ちゃんを不躾な瞳から守りたかった。会場の中にある喫茶店に入ると客は居なくて。
「ゴメンね。泣いたりして」
2人でホットコーヒーを注文。梨良ちゃんのカップに砂糖とミルクを入れて上げる。
「ありがとう。智くん。いつも私を気遣ってくれて」
「気持ちが揺れている時は、砂糖にミルク入れるでしょ」
梨良side
「私、智くんの気持ちを察する事が出来ない……」
智くん。穏やかで一見自分の世界で生きるのが好きそうに感じるのに。ビックリする程人の事を見ている人。
智side
「面白いリアクション。ゴメン。可愛らしいリアクションって言いたかったのに。俺の唐突な質問にビックリさせたのが悪いのに」
「個展を開く夢?」
「うん。アニメーターとして認められて、更に上を目指せるようになって個展を開くまでになってさ。一緒に開催出来る様になりたいなって」
そう言うと、再び見る見る瞳に涙溢れさせちゃった梨良ちゃん。
「私、察しが悪いから。智くんと一緒に個展開きたい。もっと絵が上達するよう頑張らなくちゃ!」