第14章 *Happy Birthday 7/29*〜笠松幸男〜
「先輩、部活お疲れ様です。」
「あ、お、おう…。サンキュ…。」
かぁあって真っ赤になって照れる先輩に、私も照れてしまう。
「その…い、いきなりで悪いんですけど。」
一呼吸置いて、紙袋を先輩に差し出す。
「お誕生日、おめでとうございます…っ!」
それを見た先輩は、意外そうな顔をした後、
「あ…えっと、
…ありがとな。」
頬を赤く染めて、笑った。
「は、はいっ!あの、中身…見てもらえますか?」
嬉しくて、私もつい頬が緩んでしまう。
先輩は、ん、と言って、紙袋を開けた。
出てきたのは、昨日までずっと作り続けた、先輩のイニシャルが入ったタオル。
「良ければ、部活中とかに使ってほしいなって…。私、部活を頑張ってる先輩が、好きですから。」
「…そっか。」
「だから、これからも頑張ってください。応援してます!」
あの日惹かれた、体育館で走る先輩を、これからも見ていたい。
だから、私からは、先輩へのエールをプレゼントします。
*Happy Birthday 7/29*
私が出来る事は少ないけれど、
こういう些細な事でも、
先輩の支えになりたい。