第2章 *恋心 feat.赤司
…時間が過ぎるのはあっという間で、もうその時は来ていた。
赤司くんと二人になれる唯一の時間。
今日もいつも通り、並んで歩いていた。
でも、いつもと違う事がたくさんある。
隣という近さに緊張したり、手が触れるだけで過剰に反応しちゃったり。
不安になる事も多いけど、それより、恋に気づいてからはこの道も変わって見えた。
「香奈、どうした?」
「へっ!?な、何が!?」
「…緊張してるのか?」
やっぱり嘘は吐けないようで。
誤魔化す事も出来る。
…でも、隠したくないの。
「きっ、緊張してるよっ…。だって私…
赤司くんが、好きだから…!」
これが、私にとって精一杯の告白。
少女漫画のような、在り来たりな展開かもしれない。
それでも、一つ一つの言葉に想いを込めて。
…赤司くんに言えたことが、ただ嬉しかった。
「香奈…?」
「友達としてじゃないよ。私、赤司くんの…恋人になりたい。」
ドキドキしすぎて、息が詰まりそう。
こんな思いをしてるのは、私だけかもしれない。
でも、それでも知りたい。
「赤司くん、私と付き合ってください。」
もう怖くはないから。
「…香奈。」
「う、うんっ」
「…本当は、僕もずっとそう言いたかった。」
そう言う赤司くんの顔は、少し赤い気がした。
「香奈、好きだ。ずっと僕のそばにいてほしい。」
「…うん。私も、ずっと一緒にいたい。」
お互いの気持ちが通じて、私たちは、自然と唇を重ねた。
*恋心*
重なり合った想い。
それは、
あなたへ向けた、恋心。