第14章 *Happy Birthday 7/29*〜笠松幸男〜
「それでは、遠野ちゃんに問題!しちにーきゅう、これなんだ?」
「知るか」
「えーっ」
心当たりがなかったので即答する。
元々、黄瀬の問題に真面目に答える気はない。
黄瀬が頬を膨らませてたけど、突ついて遊びたいと思うだけだった。
「遠野ちゃんなら知ってると思ったんスけど…笠松先輩の事だし…ま、取り敢えず答えは
「ストップ」
黄瀬の話を遮って、必死に考える。
笠松先輩の事?
これは本気を出さなきゃ。
笠松先輩、729…?
なんか、聞いたような…なんかの話題で…。
「あっ」
「分かった?」
「…っ黄瀬、今日だけは感謝するわ!ありがと!」
抱きつくとかは笠松先輩にだけしたかったので、黄瀬にお似合いだと思い、頭を撫でた。
「わ、遠野ちゃん、それ、超好きっス〜!」
へへっ、と嬉しそうに笑う黄瀬は、ウザいとこがありながらも、嫌いになれないから不思議だ。
「遠野ちゃん、俺に協力出来る事あったら、言ってね!」
「うん!こき使うよ!」
「ひっでぇ!」
七月二十九日。
その日は、笠松先輩の誕生日だった。