第9章 *クラスメイト*〜青峰大輝〜
青峰side
中学一年の時から、高校一年の今まで、三年ちょい。
そんな長い間、連続で同じクラス、なんて奇跡があるんだろうか。
…俺の経験上、ある事にはある、という事が分かった。
実際、俺と、今俺の隣にいる遠野がそうだからだ。
「あー、ねみぃなぁ…」
「まぁ、こんなに天気いいもんね〜」
まだ授業時間中の屋上に、今日も二つの影が落ちる。
成績優秀、真面目な性格(ちなみにA型)な遠野が、何でここで俺とサボっているのかは、俺も知らない。
ただ、俺が部活をサボるようになってからは、遠野も授業を受けなくなった。
部活には行ってるみたいだけどな。
「…遠野、お前、何で授業休んでんだ?」
「……。」
「おい、遠野。」
「……。」
「聞いてんのか?…あ」
急に静かになった遠野の顔を覗き込むと、目を閉じて、口を少し開けた遠野の顔が目に入る。
…寝た、か。
「アホっぽい寝顔だなー…」
寝たのをいい事に、本音を包み隠さず口に出す。
つまり、今のは本音だ。
口開けて寝るとことか、「ぬぅー」とか「うぅー」とか寝言言ってんのは、もう、アホとしか言いようがない気がする。
本人が聞いたら、「アホ峰に言われたくないよー。」って返されそうだけどな。
俺のアホとお前のアホは、別なんだよ。
「なんか、お前のアホは…可愛い。」
愛すべきアホ、という言葉が似合いそうな奴だ。
面白くて、頬をツンツンと突くと、「うっ…」と反応が返ってくる。
「…本当、可愛い奴。」
起きてない事を確認したところで、さっき突いた所に、優しく口付ける。
「さて、寝るか。」
頭の後ろで腕を組んで、俺も遠野の隣に寝そべった。