第24章 *Happy Birthday 9/11*〜小金井慎二〜
「…遅い。」
イライラしながら、いじっていたスマホで時間を見る。
…まだ、普段通りだと部活は終わっていない時間。
「私ってこんなにせっかちだったっけ。」
正直じゃない私でも、小金井のことはかなり好きなんだな、って今更だけど思った。
それならもう少し素直になれたら…と考えて、ため息をつく。
「バカみたい。」
いつも、自分の思ってないことばかり言葉になって出てくる。
そんな自分に嫌気がさしたことも、何度もあった。
…でも、小金井はそんなとこも全部受け止めてくれるから、少し甘えすぎていたのかもしれない。
もう少し、ちゃんと言えたら…。
「慎二…好き。」
試しに言った言葉に、ボッと顔が真っ赤になる。
これ、本人の前でなんて、やっぱりレベルが高すぎる。
改めてそう思った。
「っていうか!そんな私がせっかく部屋に誘ったっていうのに、遅すぎない!?」
そうは言ったって、まだ時間を確認してから一分経ったばかり。
まだまだ部活は終わりそうになかった。
「早く来なさないよ…。」
そう呟いて、でもやっぱり待ち遠しいから、この時間を少しでも縮めようと、数十分寝ることにした。