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【進撃の巨人】自由の翼【R18】

第1章 プロローグ


人類は、巨人の脅威から身を守るため、巨大な3つの壁を築いた。
外側から「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」。
この壁に守られる生活は100年も続き、人々はこの平穏な日々が永遠に続くものだと疑いもしなかった。




♢ ♢ ♢



とある日の午前。
わたし、サクラ・ダンネベルクは木の机に向かい、クレヨンで絵を描いていた。
青いクレヨンを手に取り、白い紙の下半分をぐりぐりと塗りつぶしていく。

ーーよし、描けた!!海!!

椅子から飛び降り、お母さんが寝ているベットへ向かう。

「お母さん! みて!」

描き終えた絵をお母さんに見せると「これはなあに?」と微笑みながら聞いてきた。

「海っていうの!」

「海?初めて聞いたわ」

「この前アルミンに教えてもらったんだけど、壁の向こうには海っていうのがあって、その海は全部塩水でできてるんだって!しかも、取り尽くせないくらい広いって!!」

お母さんは青い海の部分をなぞる。

「もし本当にあるのなら、いつか見てみたいわね」

「わたしも!」

「そうだわ。今日もエレン達と遊ぶなら、イェーガー先生に容器も届けてくれるかしら?」

「うん!任せて!」

イェーガー先生というのはこの町のお医者さんだ。

わたしのお父さんはガラス職人で、医療用の容器などを作っており、イェーガー先生はお父さんのお得意様らしい。

いつもはお父さんが作った商品を、お母さんがイェーガー先生に届けている。現在、お母さんのお腹には赤ちゃんがいて体調を崩しがちになっているため、わたしがお母さんの代わりに届けに行くことが多くなっていた。

その時に、イェーガー先生の息子であるエレンと、一緒に住んでいるというミカサに出会った。年齢も近いことからすぐに仲良くなり、最近では毎日のように遊ぶようになっていた。


「今日はお父さんが早く帰ってくるみたいだから早めに帰ってくるのよ」

「わかった!いってきます!」

「お姉ちゃんいってくるね」

お母さんのお腹に語りかける。
そんなわたしの頭をお母さんはまるで宝物に触れるように、撫でてくれた。
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