第6章 綺麗な花にはとげがある
辺りは焼け野原。
俺は何かよくわからない世界にきてしまったようだ。
ここはどうやら姉さんの夢の中らしい。
「………こんなところで何をしてんですか、姉さん………。」
ポソリと言った言葉はどうやらまる聞こえだったようで、新八君が反応した。
「もしかしたら、戦争時代かもしれませんね。」
「戦争?もしかして、過去にきたアルか。」
可能性としては充分ありえる話だ。
「………姉さん探さないことには変わりねえ。探すぞ。」
俺は歩いた。
「……にしても、本当に焼け野原ですね…。」
「血の匂いもプンプンするアル。」
チャイナの言う通りだ。
血の匂いが半端じゃねえ。
「悪いな。だが、ここはそういう所なんだよ。」
………は?
俺は振り向くと、そこには紫がかった髪の男が立っていた。
そして、回りには侍。
刀をつきつけられている。
「………お前ら、何者アルか。」
「それはこっちのセリフだ、馬鹿。」
馬鹿と言われて相当腹が立ったらしい。
今にもそいつを殴ろうとしていた。
「………俺は沖田総悟っていいまさあ。あんたの名前は?」
俺から名乗ったんだ、こいつにも名乗る義務がある。
「………俺は鬼兵隊隊長、高杉晋助だ。」
「た、高杉っ!?」
新八君は驚いた顔をしている。
嫌な奴に出会ったな………。
「お前、あの片目アルか?!………今は片目じゃないネ。」
「片目って何だよ。大体、何故俺のことを知ってる……。」
……ここはうまくなりきるか……。
「ああ!俺、知ってやす!高杉さんですよね!俺達、実は志願兵なんですけど…。」
「何?志願兵だと?」
あ、食いついてきやがった。
両肩をつつかれる俺。
『沖田さん、志願兵って……。』