第15章 悪魔のささやき
~緑SIDE~
一人でくるはずだった。
一人じゃないといろいろやりずらいし、ほら、掛け声とかなんか聞かれて恥ずかしいじゃん、辛いじゃん、なんか。
というわけで途中までは一人だったというのに…。
「ったく…、こんな量を一人で殺るつもりだったたぁ、つくづく自分を大事にしねえ野郎だな。」
「私、野郎じゃないから。女だから。」
なぜだか晋助がついてきていた。
ここで気づいてほしい。なぜよりにもよっての晋助なのか。
普通ここは銀時なのではないのだろうか。
ていうか、後ろに、真後ろにいたのは銀時なんだから、普通その位置は銀時なんじゃないのだろうか。
「で?なんでここにいるの、晋助は。」
「なんでって、おめえが心配だから?」
はあ…。そういうことも平気で口に出せるような奴です、こいつは。
「鬼兵隊は?まさか、おいてきたなんてことはないでしょうね。」
「大丈夫だ。あいつらなら、俺がいなくてもやっていける。」
駄目だ、こいつ絶対ひきさがらないつもりだ。
「…こんなに戦力が固まってても意味ないでしょう。ここがいいならお好きに。私は別の道に行かせてもらうわ。」
そう言って、別のルートに移動しようとしたとき。
普通に、手をつかまれた。
「……ふぁ?」
「駄目だ。てめえはおとなしく、俺の後ろにいろ。」
銀時の言葉を使おう。命令口調ですか、コノヤロー。
「いい加減にしてよ!なんで私が晋助についていかなきゃいけないのよ!このままじゃ、後ろの小太郎達にも迷惑がかかるじゃない!」
「だからてめえは他人の心配より自分の心配をしろって言ってんだ!」
戦場の真ん中で、なにを口論してるというのだろうか、私達は。
「だからどうして私が「てめえを護りたいからにきまってんだろ!!それ以外に何があるってんだ!!」
………目が点になる。
しまったという顔を晋助がしたときは、すでに遅かった。