第2章 恋人に立候補したらダメですか?
聚楽第の任務についての通達が来たのは一週間前だった。
私は今、山姥切国広を隊長とした精鋭揃いの第二部隊を編成して聚楽第へ送り出そうとしていた。
監察官という覆面の人物は何故だかうちの山姥切国広に冷たく当たるので、ちょっぴり苦手である。
「あいつかー、感じ悪いんだよな……」
むぅ、と頬を膨らませながら、第二部隊の人員の装備を確認していく。
隊長は初期刀の山姥切国広。
装備は軽騎兵特上を二体に青影の馬、刀剣破壊予防のお守りという、それこそフル装備をしいている。
副隊長はしっかり者の脇差、堀川国広。
名前が同じ兄弟刀である彼らは存外仲が良いので、組ませる回数も多いのだ。
次席に大太刀を二振り。
太郎太刀と二郎太刀。
この二人も宝剣として祀られていた由緒ある刀である。
後の二人は太刀の三日月宗近と鶴丸国永である。
この二人のじいちゃん達はどうするか本当に最後まで悩んだのである。