第1章 プレゼントって悩みすぎると途中からどうでもよくなる。
「あ゛ぁぁぁもうどうすればいいのよ…」
私はそんな土方さんへのプレゼントに頭を抱えているのです。
ただの上司へのプレゼントというなら正直なんでもいい。
しかし、今回は「恋人」というなんともヘビーなオプションが付いている。
やっぱり、喜んでほしくて色々悩んでしまうのが乙女心というもので。
「さっきから何を唸ってるんですかィアキ。昼寝の邪魔でさァ。」
廊下を歩いていると縁側でさぼり中の総悟に怒られた。
「え、あ、ごめん」
「…素直に謝るなんて気持ち悪ぃですぜィ。何悩んでるんですかィ。」
今日ばかりはいつもの減らず口を叩いている場合ではなかった。
さすがの総悟もその様子にため息をついた。
「どうせ、土方さんのことでしょう?」
まぁ、隠せているつもりもなかったが、直球で図星を突かれて身体が跳ねる。
「さては、何にも用意してないんですねィ?」
「いやぁ…まぁ…そのー…」
図星からの図星。
目を合わせられない。
「いや、ずっと考えてたんだよ?!
それはもう4月末から!でもでもでもでも思いつかないんだもんーーーー!」
「はぁ。別にアキがくれるものなら何でも嬉しいんじゃないですかねェ。」
呆れたように総悟はそう言った。
そう、皆が皆そう言うのだ。
近藤さんもジミーも原田さんもその他の隊士も皆。
結局誰にもいいアドバイスがもらえず、今に至る。
「そうは言ってもさぁ…」
「まぁ、別に無理に今日あげなくてもいいんじゃないですかィ?
じゃ、俺は昼寝の続きで忙しいんで。」
総悟は再びアイマスクをして昼寝の体勢に入った。
「はぁ。ありがと、総悟。」
私は何度目かわからないため息をついて、一応相談に乗ってくれた総悟にお礼を言った。