【ヒロアカ】change the truth【R18】
第6章 ふたりきり
「んっ…」
目を開けると、カーテン越しに差し込む朝の光が眩しくて、思わず目を細めた。
「起きたか」
声のするほうを向くと、相澤先生が椅子に腰掛けていた。
またいてくれているんだ――そのことに、胸が少しだけ温かくなる。
でも、同時にあのときのことが頭をよぎる。
あの時――相澤先生が私にキスをしたことを。
思い出すと、顔が熱くなり、どうしようもなく恥ずかしい気持ちに襲われる。
(どうして、相澤先生、あの時私にキスしたんだろ……)
考えるだけで、さらに顔が赤くなっていく。
「相澤先生……」
名前を呼ぶと、相澤先生がこちらに視線を向けた。
「その、悪かったな……」
「なにがですか?」
「佐倉の許可なくしてしまって」
先生の真剣な表情を見た瞬間、胸が高鳴った。
私は――正直、嬉しかった。
相澤先生だったから。他の人だったら嫌だったと思う。
「嬉しかったです」
その言葉に、相澤先生は驚いたように目を見開き、包帯が巻かれた腕で自身の頭をガシガシとかき乱すように掻く。
「佐倉」
相澤先生は私の方に近づいてきた。
近くで見れば見るほど、相澤先生の整った顔立ちにドキドキが止まらない。
自分の顔がますます赤くなっているのがわかる。
「佐倉、そんな顔で俺を見るな……」
先生の声は、低くて甘く、耳元に響く。
「我慢できなくなる」
心臓が爆発しそうなくらいドキドキしながら、私はただ、目の前の先生を見つめ続けることしかできなかった。