【ヒロアカ】change the truth【R18】
第5章 個性
佐倉は落ち着きを取り戻し、再び穏やかな寝息を立て始めた。
その姿を見つめながら、俺は深く息を吐いた。
――俺は理性を抑えられなかった。
生徒である佐倉に、キスをしてしまった。
やらかした。
自分の愚かさに頭を抱えそうになったその時、扉をノックする音が聞こえた。
「失礼するよ」
扉を開けて入ってきたのは、オールマイトだった。
「佐倉くんは、今日も目覚めてないのか。」
「ああ、いえ……先ほど目覚めました。しかし、個性の暴走があり、再び意識を失っています。ですが、もう大丈夫かと」
俺の説明を聞き、オールマイトは安心したように頷いた。
「そうか。よかったよ」
そう言いながら、オールマイトは佐倉のそばへ寄り、彼女の様子を確認する。
そして、俺のほうを振り返りながら静かに口を開いた。
「相澤くん」
「……はい」
「命を救ってもらったのだから盲目的になる気持ちもわかる。だが、くれぐれも教師と生徒という立場を忘れず……と言いたかったのだが――」
オールマイトは意味ありげな視線を向け、俺の顔をじっと見つめた。
そして、苦笑しながら続けた。
「もう遅かったようだね」