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【ヒロアカ】change the truth【R18】

第4章 レスキュー


救助訓練当日。1年A組のみんなとバスに揺られながら、私は窓の外に流れる景色をぼんやりと眺めていた。入学してから約一週間が経ち、クラスの雰囲気にも少しずつ慣れてきた。クラスの人たちとも自然に会話できるようになり、少しずつ「居場所」を感じられるようになっていた。

私の隣には、蛙吹梅雨さん。カエルのような独特な雰囲気を持つ彼女は、どこか落ち着いていて親しみやすい。それでも、まだ彼女の考えていることが完全には掴めなくて、少し緊張していた。

「私、思ったことなんでも口にしちゃうの」

不意に彼女が話しかけてきた。柔らかい声に安心感を覚えながらも、どんな話題が飛び出すのか予測がつかず、少し身構える。

「あなた、なんだか相澤先生と同じ香りがするわ」

その一言に、私は思わず体を硬直させた。まさか、こんなところでそんなことを言われるとは思わなかった。心臓がドキドキと早鐘を打ち、焦りが顔に出そうになるのを必死で隠す。

「え、そ、そうかな?」

声が少し裏返りそうになるのを堪えながら、なんとか答える。

「うん、なんて言うのかしら……落ち着くような良い香り」

蛙吹さんは、特に深い意味はなさそうにそう言って、窓の外に目を移した。その仕草に、私は少し安堵する。

何かを悟ったわけではない。ただ、自分の感じたことをそのまま言葉にしただけなのだろう。それでも、相澤先生と一緒に住んでいることを知られてしまうんじゃないかという恐怖が、心の片隅に残っていた。

(バレたら相澤先生と一緒に住めなくなるかもしれない)

一緒に住み始めてからまだ1週間ほどだが、私はご飯を食べながら相澤先生と会話を交わすことに幸せを覚えていた。

(相澤先生と一緒にいれなくなるなんて絶対いやだ。考えたくない)

私はまた窓の外に目を向けた。移り変わる景色の中、これから始まる救助訓練に向けて、静かに気持ちを整える。
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