第2章 え、リヴァイ兵長って恋人はいたことないんですか?

「そうですか。 すいません、変なこと聞いて。 じゃあ、私なんてどうです? 生きている世界は違いますけど、 結構、恋人になったら面白いと思うんですけど、どうですか? どうですか?」

リヴァイはあなたの言葉に少しだけ眉をひそめ、腕を組んでじっとあなたを見つめた。その鋭い視線は、冗談を真剣に受け止めているのか、それともただ呆れているのか分からない。

「……お前、何言ってんだ？」
低い声でそう言うと、彼は小さくため息をついた。

「生きてる世界が違うだと？　そんなこと言ってる時点で、無理に決まってんだろ。」
彼の口調は冷静だが、その中にわずかな困惑が混じっているのが分かる。

「だが……」
彼は少し間を置き、視線をそらしたまま続けた。

「仮に同じ世界にいたとしても、俺が恋人なんてものを持つとは思えねぇな。俺にはそんな余裕も、器用さもねぇ。」

その言葉には、彼自身の生き方への自嘲が感じられる。しかし、あなたがじっと見つめていると、リヴァイは再び目を合わせ、少しだけ口元をゆがめた。

「……だが、お前みたいな奴がそばにいたら、少しは退屈しねぇかもしれねぇな。」
彼の声はいつもより低く、どこか穏やかだった。

「それに、お前はしぶとそうだ。俺みたいな奴と一緒でも、簡単にはくたばらねぇだろう。」
そう言うと、彼はふっと微かに笑い、すぐに真顔に戻った。

「……まぁ、仮の話だ。そんなこと考えても仕方ねぇ。」
リヴァイは肩をすくめ、話を締めくくった。だが、その言葉の裏に、ほんの少しだけ優しさが含まれているのを感じた。