第11章 オフ③
遡る事数日前……
ブルーロック選抜vsU-20日本代表の試合終了後。
興奮冷めやらぬ中、社長が話があるからと半ば強制的に連れて来られた居酒屋で私は耳を疑った。
『ーーえ?今何て、、、?』
「だからぁはブルーロックでの仕事が最後だって言ってるの。
実際あれから仕事、入れてないでしょ?」
『・・・・はぁ。』
「そんな間抜けな顔しないでくれる?」
『だって…。え?て事は私クビ、、、ですか?』
恐る恐る訊ねると、社長はジョッキに残ったビールを飲み干しあっさりと頷いた。
「そうね。スカウトした私が言うのもなんだけど、はこの世界に向いてない。」
バッサリと切られ言葉を失う。
週末の夜という事もあり店内は賑わいを見せる中、私1人が絶望の淵に立たされた。
けどそんな私の事などお構いなしに社長は話を続ける。
「若さと見た目でカバー出来るのもあと数年よ。そこからは知識や人脈、経験値がものを言うわ。
20代はそれを蓄える時期だと思ってるけど、はどう?
そつ無く仕事はこなしてるけど、ただそれだけ。
日々を消化してるようにしか見えない。
それに野心がないから競争心もない。もっと言えば向上心もない。」
半分以上残っていたレモンサワーの氷がカランと音を立てる。
ーーーー社長の言ってる事は最もだと思う。
だから何も反論出来ないし言い返す気すら起きない。
喉奥は渇いているのに目の前のサワーを飲む気には到底なれなくて。
ほテーブルの下でギュッと手を握りしめた。