第9章 オフ①
壮行試合から2日後〜〜
(待ち合わせ場所ってここ、で良いんだよね……)
渋谷の待ち合わせの定番、ハチ公を前に辺りを見回す。
どうやらまだ来てないようだ。
ーーーそれにしても久々に来たなぁ渋谷。
休日じゃないのに相変わらず凄い人……
目の前の交差点は大勢の人が行き交っていて見ているだけで人酔いしてしまいそうだ。
とりあえず座って待とうとすぐ近くのベンチに腰を下ろし携帯をチェックする。
すると、
「オネーサン、1人?良かったらお茶しない?」
ベタなナンパだな……。
はぁ、とため息を吐きながら眉を寄せて顔を上げるとそこに立っていたのはーーー、、
『あ、乙夜君…』
待ち合わせをした本人が目の前に立っていた。
「オネーサン可愛いね♪彼氏いる?いなかったら俺と付き合ってよ♡」
『・・・・。』
「ちょっと(笑)そんな冷たい目で見ないで。
遠目で可愛い子がいるな〜って思ったらちゃんだったんだけど。マジびっくり〜」
ヒューっと口を鳴らし、ナンパ師のような口ぶりの男の子、乙夜影汰君。
ニット帽から出る緑色のメッシュ、首にはヘッドホンを掛け今時のファッションに身を包んでいる。
そんな彼と何故ここ、渋谷で彼と待ち合わせをしたのかというとーーー