第1章 1夜
シャワーを終え、薄くメイクをしたところで部屋のブザーが鳴った
バスローブの紐をキュッと結びロック解除のボタンを押す
『はい、どうぞ。』
ドアが開き本日1人目の"お客様"が中へと入って来る
「ちゅーっす。」
ドアが閉まると同時、ピッとタイマーが作動し30分のカウントダウンが始まる
チラッとタイマーが動いたのを確認し、銀髪に緑のメッシュが入った彼に視線を向けた。
『こんばんは。ここに来るのは初めてだと思いますが規則は事前に確認されてますか?』
「うす。めっちゃ色々書いてあったけど、要は後腐れなく一発抜きますよってコトでしょ?俺そーゆう割り切った関係ウェルカムだから♪」
(・・・ノリが軽い子だな。)
乙夜影汰
事前にデータで名前は確認してある。
それなりに経験があるのか緊張してる様子はなさそうだ。
それどころかヒュウ〜♪と口笛を吹くと部屋の中央にあるベッドへとダイブしている。
「うっわ!マジサイコーじゃん♪ねぇ、この部屋音楽とかかけれないの?」
(・・・音楽?ここに来てそんな事初めて言われたな。)
『音楽はー……どうかな…?
そういうの詳しくなくて。パッドから流せたり出来るのかな、、、』
サイドテーブルに置いてあるパッドを手に取り操作してみるも、スピーカーやら何やら、繋げ方がわからない。。。
うーん…と眉を寄せながら画面と睨めっこをしていると、クイクイッとバスローブの紐を引っ張られた
『っ?』
解けそうになり慌てて紐を押さえると、
「やっぱ音楽はもういーからさ、さっさと始めない?」
彼は顎でタイマーを差し、急かしてきた。