第5章 5夜
その翌日、意外な人物から予約が入った。
「・・・・。」
『・・・・。』
流れる沈黙。
私がベッドに座ると彼は微妙な距離を置いて隣に腰を下ろした。
お風呂上がりなのか、綺麗な長い髪からはふわりとシャンプーの香りが漂っている。
(初めて会った時も思ったけど、本当に綺麗な顔してるな……
睫毛なんか私より長いし、髪も肌もちゃんと手入れされてる感じ。
それに顎のラインもシャープで羨ましいぐらい…)
ついマジマジと観察してるとパチッと目が合った。
「・・・見過ぎ。」
『あ、ごめん…。千切君てホント綺麗だなぁと思ってつい、見惚れてた。』
思った事を口にすると、千切君は僅かに表情を緩めた
「何それ。あんた女でしょ?」
『一応そうだけど。』
「一応って何だよ。」
間に流れる空気が和らいだ感じがしてホッとする。
最初入って来た時、千切君の表情は明らかに強張っていたから少し不安だった。
(緊張、してただけかな、、、?)
何にせよ、時間は動いてる
とりあえず始めないとーーー。