第3章 3夜
どのぐらい意識を失ってたのか……
ふと目が覚めた時には士道龍聖の姿は消えていた。
『・・・・ん?』
お腹に違和感を覚え、手で触れてみるとベトッとした白い液が手を汚した。
(ーーーーホント最悪。あの悪魔‼︎)
お陰で身体中痛いし頭はぼんやりするし、本気で死ぬかと思った。
『出禁にしてやる…‼︎』
規則を破った上、暴行紛いの事をされたんだから当然。
本当は上に報告してここから追い出すべきなんだろうけどーーーー
士道龍聖がどんな選手でどんなプレーをするのか、私は知らない。
もしかしたら凄い才能の持ち主かもしれない。
(私みたいな人間が将来を有望視されてる子の芽を摘んじゃいけない……)
そう思うと、私が唯一出来る抵抗は"出禁"ぐらいなのだ。
そう思っていたけどーーーー
シャワーを浴びながら鏡に映る自身の姿が目に入り愕然とした。
首にはくっきりと鬱血痕が残り、手首にも同様の痕が残っていた。
『最っ低、、、、士道龍聖、出禁じゃ済まさない……‼︎
次会ったらあの触覚引きちぎってやるから……』
そんな呟きは、シャワーと共に排水溝へと吸い込まれるように消えていった。