第12章 ショッキングピンクと若草色
「動けそ?ダメならおんぶするけど?」
『大丈夫…歩ける。』
「ん、じゃあ俺に寄りかかっていーから。とりあえず外出よっか。」
乙夜君に支えてもらいながらゆっくりと立ち上がる。
そんな時、西野入さんの身体がピクリと動き、すかさず千切君が私を庇うように前に立った。
「乙夜、先に連れ出してやって。俺はコイツを店員と警察に引き渡してから合流するから。
あと他のやつらにも上手いこと話しつけとく。」
「りょ。」
『え、待って千切君…その人何するか分からないから1人じゃ危ないって…』
1人残ろうとする千切君を止めようと服の裾を掴んだ。
けどそんな私の心配を他所に、千切君はなんて事ないように笑うと、
「ヘーキだって。俺そんなにヘタレじゃねぇから。
女に手を挙げるようなヤツには負けねーよ。」
手を伸ばし私の乱れた髪をそっと耳に掛け直してくれた。
『・・・・千切君』
「ホラ大丈夫だからそんな顔すんなって。それより頬、早く冷やした方が良い。乙夜、頼んだぞ?」
2人はアイコンタクトをし小さく頷く。
「て事だからちゃん行こっか?」
『・・・う、うん。』
後ろ髪を引かれつつも、乙夜君に支えてもらいながら部屋を出た。