第1章 1夜
「あーあ、残念。」
『・・・・っ』
思わず名乗ろうかと口を開きかけたけど、乙也君はくるりと背をむけた。
そしてバイバーイと後ろ手に手を振りドアの向こうへと足を進め、
「また来れるよう頑張るから名前はそん時に教えて。」
そう言い終わると同時、ドアは自動で閉まった。
1人になった部屋で閉まった扉を見つめる。
(・・・名前、そんなに知りたかったのかな?)
理由は何であれ、乙也君の頑張れる活力になるならいっか。という結論に致る
ていうか次、時間ないんだったーーー
今日はあと1人約束が入っている
急いでシーツを交換してシャワーを浴びないと……
私も同じ、
余韻に浸る暇はない。