第24章 【失われた髪飾り】
「オリバンダーさん!僕です、ポッターです!!」
ハリーはオリバンダーさんの店の扉をやや乱暴に叩いた。しかし返事らしいものは何もない。
焦りに焦ったハリーは強硬手段とばかりに、魔法で扉の鍵を開けて中に入った。
この店に来るのは7年ぶりだ。相変わらずカウンターの後ろは沢山の杖が箱に収まって並んでおり、その数には圧倒されるものがある。
ハリーはその棚の奥にある階段を上り、2階の部屋の扉を叩いた。しかし返事がない。まさか!と嫌な予感が頭をよぎり扉を開けると、オリバンダーさんは床にうつ伏せになって倒れていた。
「オリバンダーさん、しっかりして下さい!オリバンダーさん!!」
「……おぉ、ポッターさん。出来ましたよ、貴方の新しい杖が」
オリバンダーは作業台を指さした。するとそこにはとても中古品とは思えない、新品同様に磨かれた1本の杖があった。
ハリーはそれに吸い寄せられるように近づくと、軽く杖を振ってみた。その途端、白い美しい羽根がどこからともなく降りそそぎ、部屋を真っ白に染めた。
「素晴らしく、美しい……我ながら良い仕事をさせて頂きました」
「オリバンダーさん、この羽根は……?」
「天からの祝福ですよ、ポッターさん。間違いなく、貴方に天使が微笑みかけているんです」
天使と聞いたほんの一瞬、ハリーは巷で『救済の天使』と呼ばれているクリスを思い出し、それと同時に思わず笑ってしまった。
確かにあの何をしでかすか分からない暴走機関車が、自分に力を貸してくれているのかと思うと、怖いものなんて何もないように思えた。
「ありがとう御座いますオリバンダーさん、僕、行ってきます!」
「もう少しお待ちいただけませんか?実は貴方の為に、最高の乗り物を用意したので」
「最高の乗り物?」
「ああ、ほら……彼の羽ばたく音が聞こえてきましたよ……」
オリバンダーさんが言った通り、バサバサと何か大きな羽ばたく音が聞こえてきた。
ハリーは居ても立ってもいられず窓を大きく開いた。すると驚くことに、そこにいたのはドラゴンの背にまたがった、チャーリー・ウィーズリーだった。