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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第23章 【二人合わせ】


「あああ……う゛う゛……あ、あああ……」

 母によく似た光の精霊が現れた瞬間、父はクリスの首から手を離し、救いを求めるように光の精霊に近づいて行った。そして光の精霊も、それを待ち望んでいたように優しく父を抱きしめた。
 父は目玉のなくなった虚空の穴から滝のような涙を流しながら、影1つ残すことなく、光に包まれて逝ってしまった。

 これで父様も長い苦しみから解放されたはずだ……そう思うとクリスは涙が止まらなかった。

 次に母は――いや、光の精霊エーテルは、まるで生まれたての雛を包み込むように、優しくクリスの頬に手を添えた。そして光と共に徐々に消え始めると、クリスは泣きながら縋り付いた。

「いやだ、母様、いかないで……」
「      」

 困ったように笑いながら、光の妖精はクリスに向かってわずかに首を振った。残念だけれど、もう還らなくてはならない。まるでそう言っているようにクリスには感じられた。
 クリスはさらに言葉をかけようとした、その途端、カチッっという音と共に、光の精霊エーテルはパッと姿を消した。

「――え!?」

 一瞬で暗闇になった洞窟内で、クリスの素っ頓狂な声が響いた。するとロンが杖明かりをつけながら慌てた様子でクリスに謝ってきた。

「ご、ごめん!火消ライターを使ったら、君のお母さんも吸い込んでまた取り出したりできないかな~って思ったんだけど……」
「ウィーズリー!貴様そんなことをしてもしクリスに弊害があったらどうするつもりだ!?」
「……いや、良いんだ。これで良いんだよロン!!」

クリスは涙でぐちゃぐちゃになっていた目をらんらんと光らせ、興奮と感激をもってロンの肩をつかむと、「ありがとう!!」と言ってロンにぎゅっと強くハグした。

「そうか、そういう事か!私は今までマナや素精霊やチャクラ等をそれぞれ個体として分けて考えていたからいけなかったんだ!つまりこれら全てを一つの原子単位に変換すれば良いんだ!!」
「あの~、クリス、頭大丈夫?」
「ははははは!大丈夫なもんか!私は今、歴史的瞬間を体感しているんだ!!ダンブルドアの頭脳は素晴らしい!正に天才だ!!これで魔法族にもマグル達にも、分け隔てなく精霊の加護を受けられるようになるぞ!!」
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