第23章 【二人合わせ】
その日の夜、ハリーはヴォルデモートの夢を見た。いや、夢を見たというより、感覚としてはヴォルデモート自身になったと言った方がイメージに近い。
ハリーは最初、ロケットが隠されていた洞窟に行った。そしてロケットが無くなっていることを知ると、怒りに震えた。
そして次にゴーント家に向かった。あばら家と化した家の床下に隠された箱が空になっていることを知ると、ハリーは激しい怒りと焦り、そして絶望に、体の中に潜む巨大な蛇の様なものがのたうち回っているような気分がした。
「うううっ、ぐ、ぐあああぁ!!?」
自分の口から発していた奇声で起きると、ハリーはTシャツがビショビショになるくらい寝汗をかいていた。それだけではく、手が尋常じゃないほど震えている。
アイツが怒っている、いや……恐れている?どちらにせよ、ヴォルデモートがどれほどホークラックスを重要視していたのかが体を通して理解できた。
ハリーがテントから出ると、陽は昇るどころかまだ空には星が輝ていた。それはまるで、夏休みにクリスと見た星空のようだった。
「……頼む、間に合ってくれ……!!」
ハリーは震えていた手が白むほど力強く拳を握ると、星となった両親の顔を思い浮かべながら作戦の成功を願った。
* * *
「うわあああああぁぁーーー!!!」
いざクリスがパイプの中に入ってみると、たちまちジェットコースター並みのスピードで落っこちて行き、情けない悲鳴がドップラー効果を響かせながら下へ下へと落ちていった。
無理はない、辺りは当然真っ暗で終わりなんて見えないし、下へ行けば行くほどスピードも上がる。
だが当然、全てには終わりが存在する。クリスは長いパイプの中を絶叫と共に滑り降りながら、最後はどんっと尻もちをついて終わった。
「痛たたた……そう言えば2年生の時も尻もちをついた気がしたぞ」
「本当に学習能力ってものがぬけているらしいな、君は」
「煩い、そう思うんならせめてクッションくらい用意しておげっ――ッ!??」
「きゃあああ!!ご、ごめんなさいクリス」
どういうわけか、クリスの後ろからハーマイオニーが突っこんできた。そして次いでロンもぬめぬめしたパイプの中を通って、絶叫と共に降りてきた。