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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第19章 【1日目】


「それでは、えっと……今まで僕らがどうして旅をしてきたのか。またこれからどうするつもりなのかを説明したいと思います」

 長かった一夜が明けた翌日、『W・W・W』の地下のアジトに集まった不死鳥の騎士団メンバー相手に、ハリーが少し緊張気味に口を開いた。
 集まったメンバーはシリウスを筆頭にルーピン、ハグリッド、キングズリー、ウィーズリー氏と、兄弟の代表として長男のビル、そしてマクゴナガルの計7名だった。
 クリス達は周辺警備として、残った騎士団のメンバーと共にダイアゴン横丁のあちこちを警戒しており、ハリーは1人でそうそうたるメンバーを前に、事のあらましを説明し始めた。

【第18話 1日目】

 大号泣の末疲れ果てたロンと、まだ本調子ではないシリウスをそれぞれのベッドに寝かせると、残ったハリー、クリス、ハーマイオニー、ドラコの4人が、誰が言うでもなくテントのすぐ傍で、焚火をかこみながらパチパチと薪が燃える音に心をゆだねた。
 その最中、ハリーが何の脈絡もなくぽそっと口を開いた。

「そうだ、僕たち4つ目の分霊箱手に入れたんだよ」
「えぇっ、4つ目!!?」

 正に青天の霹靂、突然の発表にクリスは大声を出した。するとハーマイオニーが「シー」と言いながらロンが寝ているテントの方に視線をやった。
 クリス達は声をひそめようと、ドラコ以外はグッと身を寄せあった。

「それで、何を手に入れたんだ?」
「ハッフルパフのカップだよ。グリンゴッツにあるベラトリックスの金庫に保管されてるって分かったから、あるゴブリンと結託して、何とか手に入れようと試みたんだ。だけど……」
「だけど?」
「そのゴブリンが裏切って、僕らを地下に閉じ込めようとしたんだ。だから地下にいたドラゴンに飛び乗って、命からがら脱出したってわけ」

 なるほど、それであの大騒ぎになったと言うわけか。
 文字通り、大地を揺るがすほどの振動と共に、無理やり屋根をぶち壊して飛んで逃げたのだ。明日には嫌でも日刊預言者新聞の一面を飾るだろう。

「でもこれじゃあリドルに『分霊箱を探しています』って手紙を送ったようなものだな」
「それだけじゃなく他の分霊箱も無事かどうか確かめに行くみたいだ。その中に1つに、ホグワーツも入ってる」
「ホグワーツ!?まさかだろう?ダンブルドアの目と鼻の先じゃないか!!」
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