第15章 【Dragon Sky】
『数占い学』はさて置き、本当に苦労の連続だったのだろう。ハーマイオニーを抱きしめると、それが身体を伝って心に直接響いてくるようだった。
そんな感動の再会を鼻で哂うドラコに向かって、クリスは脛に蹴りをくれてやった。
そして次に、クリスとハリーはお互い向かい合うと、互いの苦労を分かち合うかのように力強くハグをした。
この時、クリスとハリーの間に言葉はいらなった。言葉はなくとも、お互いの気持ちが通じ合っているのを感じたからだ。
「ところでロンは?一緒だったんだよね?」
「いや、それが、その……」
クリスはあの日、ロンをばらけさせるのが怖くて肩から手を離したことを伝えると、ハリーとハーマイオニーは顔面蒼白になった。
それはクリスも同じだった。人一倍呪いに耐性のないロンが、ロケットを持ったまま行方不明だなんて……。
黙り込む3人に対して、ドラコは1つ提案をした。
「おいポッターにグレンジャー、そんなずぶ濡れの恰好じゃあ風邪をひくぞ。一先ず小屋に戻るぞ」
「そうだな、それが一番だな」
「――ッ、クリス、それ!!?」
ハリーが召喚の杖を指さしながら叫んだ。その声につられて杖を見てみると、なんと杖の先端についている宝石――いわゆる召喚石に、細いが大きなヒビが入っていたのだった。