• テキストサイズ

ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第15章 【Dragon Sky】


 『数占い学』はさて置き、本当に苦労の連続だったのだろう。ハーマイオニーを抱きしめると、それが身体を伝って心に直接響いてくるようだった。
 そんな感動の再会を鼻で哂うドラコに向かって、クリスは脛に蹴りをくれてやった。

 そして次に、クリスとハリーはお互い向かい合うと、互いの苦労を分かち合うかのように力強くハグをした。
 この時、クリスとハリーの間に言葉はいらなった。言葉はなくとも、お互いの気持ちが通じ合っているのを感じたからだ。

「ところでロンは?一緒だったんだよね?」
「いや、それが、その……」

 クリスはあの日、ロンをばらけさせるのが怖くて肩から手を離したことを伝えると、ハリーとハーマイオニーは顔面蒼白になった。
 それはクリスも同じだった。人一倍呪いに耐性のないロンが、ロケットを持ったまま行方不明だなんて……。
 黙り込む3人に対して、ドラコは1つ提案をした。

「おいポッターにグレンジャー、そんなずぶ濡れの恰好じゃあ風邪をひくぞ。一先ず小屋に戻るぞ」
「そうだな、それが一番だな」
「――ッ、クリス、それ!!?」

 ハリーが召喚の杖を指さしながら叫んだ。その声につられて杖を見てみると、なんと杖の先端についている宝石――いわゆる召喚石に、細いが大きなヒビが入っていたのだった。
/ 175ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp