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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第15章 【Dragon Sky】


 ハリー達と離れ離れになってしまってから、ついに1カ月以上がたってしまった。その間、ドラコと各地を捜索したり、『W・W・W』に情報を聞きに行ったが、決め手となるものは何もなく、あっても肩透かしの胡散臭い情報ばかりだった。

「ハリー達が何を探しているか、それさえ教えてくれたらもっと捜査も楽になるのに」
「だからそれはダンブルドアの遺言だから無理だと何度も言ってるだろう?」
「はいはい、またいつもの決まり文句ね」

 いつも通り新しい情報がないか『W・W・W』に行くと、ジョージが店のカウンターに頬杖をついて、面倒くさそうに言った。店内はフレッドの実演販売と、賑やかでポップなBGMが流れており、クリス達の会話に耳を貸そうとする者は1人もいない。
 クリスはまた今日も無為な1日になるのかと思ったら、頬杖どころかカウンターの上にそのまま項垂れたくなった。そんな時――

「あ、あぁ~、コホン。そうだったそうだった、忘れてたんだけどさぁ~」

 これと言った進展もなく気分が落ちていたクリスに、何が言いたいのか、ジョージがわざとらしい声で話しの切り出し方をした。

「なんだ、どうした?」
「実は2つ、良い話しと悪い話があるけど、どっちから聞きたい?」
「じゃあ……良い方から」
「どうやらハリーとハーマイオニーが『人さらい』に捕まったらしい」
「それのどこが良い話しなんだ!?」

 と言うか、何故それを最初に言わなかったのか。
 聞き捨てならない話しに、ついクリスが大声を出すと、店内の客の目が一斉にクリスに注がれた。それをたしなめる様に、ジョージがコツンとクリスを小突いた。

「話しは最後まで聞けよ、どうやらハリー達は辛くも逃れたらしい。それどころか、一緒につかまっていたルーナやオリバンダーさんも達も一緒に逃げ切れたみたいだ」
「本当なのか、それ!?」

 ルーナの事はクリス自身とても心配していたので、その朗報が聞けて心に花が咲いたような心地がした。
 きっとラブグッド氏も大喜びしているだろう。それに加えオリバンダーさんも無事だったなんて、これは本当に良いニュースだと、久々にクリスの顔がほころんだ。
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