第7章 物吉貞宗と日向政宗

本丸に繋がってるゲートの横にいる政府さんにお留守番、ありがとうございましたと挨拶をして
二振りをひとまず、広間へ連れて行く。


『鶴さん、今から二振りと契約と説明をするから
もう少しだけ待っててくれる？ここに居ていいからね？』

鶴丸「話をするなら俺はいない方がいいんじゃないのか…？」

『大丈夫だよ！あ、でも戦闘装束のままだし着替えたかったら
着替えてからまたここに戻っておいで？
その間に二振りと話を進めておくから！』

鶴丸「そうか、なら内番服に着替えて戻って来よう…！」

『うん！じゃぁ、待ってるね！』


鶴さんを広間から見送って、二振りにまずは契約の話をする。




『じゃぁ、二振りとも！私との契約を交わす事に異存はない？』

物吉「はい！ボクはありません！」

日向「僕もないよ！」


『では物吉貞宗様、日向政宗様』

『私の名前は 惺月と言います』


物吉「そうなんですね？」

日向「わかったよ！でもさっきはシエルって言ってなかったっけ？」


『これは私の真名です』


「「え!?」」



鶴さんと同じ反応を示した二振りには鶴さんと同じように
真名を教えても大丈夫なことや、理由なく私を傷付けることは出来ない事など
元々良くない本丸から来た子達に言うはずの事もすべて伝えた。

二振りは大事にされてたみたいだし、最後の説明は必要ないと思っていたけれど
もし他の刀剣男士を迎えた時に驚かないように伝えておくことにした。

その話を終えた頃に、ちょうど鶴さんが広間に戻ってきた。



『おっ、鶴さんおかえり！』

鶴丸「ただいま、話は進んだのか？」

『契約の方はね！今からはここでの暮らしの事やお部屋の事を軽く伝えようと思ってね！』

鶴丸「わかった。」



やっぱり鶴さんは今、心が不安定になっている。
ここから追い出されるわけでも酷いことをされるわけでもないけれど
1人じゃないのに鶴さんの中では構ってもらえない事が
1人になった感覚に近いんだろう。
二振りには申し訳ないけど、早めに話をしないと…。