第5章 2024年9月8日
無事に…3回の撮影の
1回目の撮影を終えた。
その後はちょっと休憩して
また、今度は…VOYAGE KOBEの
スタッフの人に支度を整えて貰って。
大阪の御堂筋まで選びに行った、
桂由美のドレスを着せてもらって。
メイクも…し直して貰って。
ヘアアレンジも…このドレスに
合う感じにして貰って。
ドレスと一緒にアクセサリーも
レンタルしてるから。
そっちのアクセサリーに替えて。
持ち込みも出来るから、途中で
さっきの持参して来ている
ベールやら、ブーケやら花冠も
使って貰えますよ~っという事で。
こっちの…どれすでも、
さっきと同じ様に……アトアの前の
大階段の所からスタートして。
もうアトアの営業してる時間なので
アトアに来るお客さんの視線が
かなり刺さりまくる感じだったんだけど。
『見て見て、あれ…
ロケーションフォトの撮影してる』
『やばいっ……旦那さん
めっちゃイケメンで背高いし。
奥さん…羨まし過ぎ…ッ…』
とかとか…色々な…こう…
外野の声も…聞こえて来ちゃう訳で。
こう……他所の人から見ても
明らかに…私が年上だし…、
凄い…美人って訳でも
スタイルが…こう…抜群でもないから。
何だか…気おくれしてしまっていて。
『巴、そのドレス
巴に似合ってますよ?
あっちで…見た時も…、良かったですけど。
今日が…いい天気ですから、
青空に…凄い…映えてますよ…、ね?』
と……私にだけ聞こえるぐらいの
声のボリュームで彼が言って来て。
折角の…桂由美のドレスを着て、
こんな事をしてる…今、
こんな顔をしてちゃ…ダメだなって。
そんな風に…思ってたたら。
ちゅ…と…彼の唇がほんの一瞬、
こっちの…右の頬に触れて来て。
ほんの数秒の…一瞬、のキスに
……全部…持って行かれてしまって…。
そのキスに…全部綺麗に
吹き飛んで行ってしまって…。
悪戯をした後みたいに逃げる彼を
ウエディングドレスの裾を掴んで
追いかけると言う
謎の構図になってしまって。
こっちが…追いかけて…
追いつくわけがないのは
彼も…重々承知なので。
途中で…止まってくれて。
彼の背中に激突して…そのまま
後ろから抱きついたみたいになる。