第3章 神戸北野ホテル
前にここに来た時のお部屋は、
デラックスバスツインのお部屋で。
そう言えば…前の時に、あのタイプの
お風呂じゃないと一緒に入れないって
そんな感じに言っていた気がするけど…。
同じ部屋タイプの別の部屋って
そんな感じ?って思っていたら。
『ここのホテルでは
今日の部屋は一番いい部屋ですよ?
とは言っても、広さそんなに
前の部屋と変わらないですけどね』
と…一番いいお部屋なのに
この前のお部屋とそんなに
広さは変わらないと言って来て。
ちょっと開けるのにコツがいる
アンティークな鍵を、
ドアの鍵穴に挿すとガチャガチャと
探る様にして彼が鍵を回して。
ガチャン…っと鈍い音と共に
ドアのロックが解除されて。
『さ、どうぞ、巴』
ギィッとドアを開いて港斗が
自分の身体で押さえると
巴に中に入る様に促して来る。
神戸北野ホテルには
全部で30室の客室があって。
今回のお部屋は2階にある206号室。
「わぁああ~!!
凄いっ、可愛いお部屋~」
『この部屋は…同じグレードの他の
部屋とは…違う…部屋なんですよ』
神戸北野ホテルの30のお部屋の中の
この部屋にしかない、ある物が
あるから…ここを指定してくれたみたいで。
白と水色を基調とした
アンティークな雰囲気のお部屋は
前に泊ったお部屋よりも、
若干広い??って位の広さだけど。
置かれている家具のグレードが
違うなぁって感じる…内装をしていて。
広さとしては40㎡無い位らしいけど
内装がその大きさをカバーしていて、
ゴージャスな感じの空間を演出している。
天蓋付の…ベッドがあって、
そのダブルの2つ並んだベッドも
金色のフレームが豪華だし。
枕とクッションも水色で
お部屋のカラーと統一されている。
それから、2つ並んだベッドの足元の
フットベンチと、丸いテーブルに
置かれた背もたれがロングな
1人掛けのソファ2つと、
お部屋の壁際に設置されている
3人掛けのソファが同じ柄の
カバーで統一されていて、お洒落だ。
『どこに座ろうか、座る場所が
多くて、迷っちゃいそうですね』
お部屋のカーテンも白のレースの上に
水色のカーテンになっていて。
全体が綺麗に纏まっている。