第1章 2024年8月30日~31日の話
あっちの人がドレス20着を
次々に出して来てくれて
彼がそれは〇、そっちは✕と
20の候補の中からあっという間に
5着ほどのドレスに絞って行って。
『この中だったら…どれがいいです?』
こっちも…可愛いし
こっちのも…綺麗だ…。
プランの料金内のドレスは20枚だけど、
追加料金を払ったら、選べるドレスが
あるって聞いてると…彼が言い出して
それも見せて欲しいと言ってたんだけど。
私がその5枚のドレスの前で
うーんうんとうなっている間に
5万円の追加のドレスと
10万円の追加のドレスも
同じ様に…自分の好みのを
それぞれに絞って候補を持って来て。
気になるのがあれば…
実際に試着をして…
イメージを確かめて貰ってと。
私の隣に居てくれたスタッフさんが
そう声を掛けて来てくれて。
目で見て可愛いと思うのと、
着て似合うのが=だとは
限らないことがあるので…と。
それは確かにそうだよなって。
そんな風に思ってたんだけど。
『巴ッ、巴さんッ
これ、凄くないですか?
めっちゃデカいバラついてますよ』
今年の新作らしい、10万円の
追加料金が掛かるドレスを、
彼が見て欲しいとこっちに
私を興奮気味に呼びに来たんだけど。
「みっ、港斗君…それは…
ちょっと…私には無理があるよ…ッ」
ドレスにかなり大ぶりの
バラの花が沢山あしらわれてるから。
ちょっと37歳には…厳しい気がする。
『そうでしたら、こちらのドレス
お袖のバラは取り外しが出来ますよ?』
1着のドレスでパーツが取り外しできて
色々と…印象を変えられる物が
このドレス以外にもあるらしく。
流石に大きなバラは却下したんだけど。
『これは…どうですか?』
もう1つ…同じく新作のドレスで
ユミラインと呼ばれるスカートに
太ももの辺りまではスリムな
デザインなんだけど、
そこから下はボリュームがあって。
こっちのドレスはお袖が、
長袖とフレアとベアトップの3つに
フォームチェンジが出来るドレスで。
袖があるの嫌だって言ってたのに
このドレスは良いんだって
そんな風に思いつつ…も。
「可愛い…」
『そうですか?だったら、
すいません、とりあえず
これと、さっきの5枚の…中の
こっちと…試着させて貰えますか?』