第4章 対面
「で、ここが一年の教室」
「おお~。あんまり普通の学校と変わんねえな」
「ったり前だろうが。タブレットで授業とかしねえわ。次行くぞ」
「あ、ちょ、ちょっと待てよ」
早く終わらせたくて淡々と進めていく。
ニコニコと笑って私たちの後ろをついて歩く男の存在が鬱陶しい。
後で聞こうと思ってたけど、今聞こう。
本人目の前にして、言いたかないけど。
「よく上の連中が許したね」
「?なにが?」
「五条悟に聞いてる。宿儺の指を食ったってんなら、虎杖は即死刑だろ。なのに、ここにいるってことは何かしたのか」
「何も。ただ、提言しただけ」
私と五条悟に挟まれた虎杖はきょろきょろと視線を彷徨わせ小さく縮こまっている。
それでも私は五条悟を睨み続けた。
「宿儺の指を全部取り込ませてから殺せばいい、そう言ったんだよ。そしたら了承してくれた。それだけだよ」
「はっ。いかにもお前がやりそうな手口だな。まぁでも、私の時もそうだったし今さらだわ。だけど虎杖は殺させねえよ」
「へえ。お前がそんなこと言うなんて珍しいじゃん。どうしたの。絆された?それとも惚れた?」
「なわけねえだろ。情が移っただけだ」
そう。
情が移っただけだ。
私も死刑の身だ。
五条悟は取り消し、だなんて言っていたけどそれは嘘だ。
きっと何かしらの方法で上の連中は私を殺そうとするはずだ。
それは虎杖も例外ではない。
いくら五条悟が強くてワンマンチームとはいえ、簡単に「はい、そーですか」って頷く連中じゃない。
何か企んでいるはずだ。
だからと言って五条悟に当たるのは良くなかった。
イライラを全部五条悟にぶつけるとか、クソガキにもほどがある。