第3章 理恵編
悠目線
悠「じゃあ飯作るから着替えといて」
理恵「はーい」
きっとさっきのは幻覚だ
そうきっと幻覚
いくら姉ちゃんでもそんなことは……いや、いつもどおりか
でも何で泣いてたんだろう
あの姉ちゃんに限って悩みがあるとは思えないけどな〜
しばらくすると
理恵「私も料理手伝うよ」
悠「え?姉ちゃん料理できるの?」
理恵「当たり前じゃない」
悠「じゃあ人参切るのやっといて」
本当に料理できるのか?
包丁握りながら震えてるぞ?
悠「姉ちゃん落ち着いて」
「ほら」
気付いたら俺は姉ちゃんの後ろから包み込むようにして包丁の扱い方を教えていた
姉ちゃんの髪からいい匂いがする
悠「あ、ごめん」
俺はとっさに離れた
「ううん!ありがとう!」
少し顔を赤らめた姉ちゃんの顔にキュンとしてしまった
動揺した俺は熱々の鍋に手を触れてしまった
悠「あちっ!」
そして思いっきりこける…なんとも哀れだ…