第15章 誓い(秀吉編)
さくら「…秀吉様」
秀吉「妹なんて言って気持ちに蓋をして大人ぶってごめん、今だって酔った勢いを、借りなきゃ言えなかったなんてカッコ悪すぎだろ」
さくらは、目がうまるくらい涙を溜めて言った。
さくら「私があなたを愛しているのを知って逃げたなんて許せない」
秀吉の胸を軽く叩いた。
秀吉「すまん」
さくら「私は怒ってるんです。今、埋め合わせてください。」
秀吉「…いいのか?…いや駄目だ。やっぱり酔ってないときに」
さくら「秀吉様への想いが捨てられるわけなかった。この世にたった一人、貴方しかいないのに。」
秀吉「もう…後悔する生き方はしない。俺がお前を守る。誰にも渡さない。政宗にも。俺だけを見てくれ。」
こんなに簡単な事がどうしてすれ違ってしまったのか。
さくらが秀吉の手をとり頬を摺り寄せている。
さくら「秀吉様に、この命も、気持ちも、躰も、すべて捧げます。」
秀吉「ぁあさくら。初めてなんだ、こんな気持ち。」
過去に色恋もいくつも経験してきた秀吉だったが、気持ちを乱される事はなかった。
向き合いながら横たわると秀吉の腕の中で口づけを深く交わした。始まりそうで始まらないそのじれったい時間すらも愛おしく。
お互いの指を絡ませたり、髪を梳いて目を合わせては、はにかみながら、散々甘い時間を過ごした。