第13章 見送り(秀吉編)
☆秀吉目線☆
秀吉はとにかく気が重かった。
事件の夜、政宗にさくらを預けた事を深く後悔していたのだ。
━━━━━━あの日
お館様に、騒ぎを起こしたのは全て自分の責任だと詫びに行った。
信長「脇が甘いぞ秀吉。」
秀吉「申し訳ありません。命をとられるような事はありませんでした。物音にも気づき構えておりました」
信長「たわけ。そんな事を言っているのではない。お前が大切にしている女が、無理に刀を振るう事はなかっただろう。」
秀吉「はい、おっしゃる通りです。」
信長「しかもその女をどこに置いてきたんだ?」
秀吉(はっ…)
知らんとばかりに、信長は横になった。
信長「そういうところだぞ。朝になったら、お前が気にかけてる女中をここによこせ」
秀吉「ハッ 失礼します。」
秀吉は焦ってさくらを探した。
(きっと不安で、震えている。俺がついていないと)
事件に気をとられていたが、そんな状態のさくらをよりによって政宗に預けてしまった。
身の安全を優先したが、心がざわつき政宗の部屋に向かった。