第8章 見送り(政宗編)
☆さくら目線☆
本当は政宗にすぐに挨拶に行きたかったし、見送りもしたかった。
今城下に行けば御礼の品の一つも買えるかもしれない。などと考えたが全てやめた。
政宗に負担をかけるかもしれないと思ったのが一番の理由だが、本当は寂しくて顔を見たらもう一度抱き締めて欲しくなりそうだからだ。
(昨日は長い一日だったな。あれ?今朝か?)
時間の感覚が麻痺してきている。
昨日の事件をきっかけに、政宗と自分の間に特別な何かが生まれたような気がした。
自分にとっては、初体験のような夢のような時間だった。
大切に抱かれ、体温を感じて、溶けて一つに重なった気がした。
まさか自分の中で政宗の存在がこんなに大きくなるとはは予想もしていなかった。
さくら(政宗様、どうかお元気で…。)