第8章 甘いお仕置き
仕事終わりに探偵社に寄った。
いつもと違い、静かな事務所だった。
殆どの人は依頼で出払っていたようだがソファーに人影が見えた。
また寝てる、、、、。
そう、仕事中なのにソファーで爆睡する人は探偵社員の中で1人しかいない。
他の人が帰ってくるまで待とうかとも考えたが、忙しいかもしれないのでまた今度来ようと思ったタイミングで、、、
太宰「ハックション!!」
慌てて振り向くも、再びいびきをかいている太宰くん。
呆れながらも、彼にブランケットをかけてあげ、帰ろうとした時だ。
グイッと突然手を引かれたのだ。
『ッ!!』
太宰「私がいるのにもう帰っちゃうのかい?」
振り向くとアイマスクを晒し、此方を見つめている彼と目が合った。
"起きてたの?"
太宰「ふふ。愛しのちゃんが来てくれたら起きるさ」
"態々寝たふりしなくても。"
太宰「接吻をして起こしてくれるかなーって!」
"そんなことする訳ないでしょ。"
太宰「酷いなぁ〜、中也よりも私の方が男前だと思わないかい?」
"中也くんの方が男前です!"
太宰「はぁー、何故中也なのだい?」
"優しくて、紳士的で、笑顔が素敵で、、、"
太宰「はいはい、そこまで!これ以上中也の善いところを聞いてしまうと具合が悪くなりそうだ。」
太宰くんは私と中也くんが付き合っていることを知っている。
きっと中也くんが云ったのだろう。
学生時代の知り合いではなく、元同僚だと中也くんからこの前聞かされた。
互いに嫌いだと云っているが、なんだかんだいって実は仲が善い2人。
太宰「そうだ!ちゃん覚えているかい?あの約束!」
もちろん覚えていた。
先週した約束、助けてくれたお礼のこと。
忘れていないことを彼に伝えた。
太宰「じゃあ明日とかどうだい?」
明日は仕事はお休み、中也くんは残念ながらお仕事で逢えない。
ちょうど暇だったので、頷くと太宰くんは嬉しそうに微笑んだ。
のちのちこのデェトが原因で大変なことになるなんて、、、。