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河川敷の長靴

第1章 目の前の友人は、怖い話を始めた。


これは、私が中学生の時に聞いた話なんだけどね。

私が通ってた中学校の近くに、河川敷があるんだけどさ。
そこっていつも、汚れて色あせた青色の、小さな子供用の長靴が置いてあるの。
晴れている日でも、雨の日でも、台風の日でも、ずーっとそこに置いてあるんだよ?
不思議だよね?
捨ててあるにしては、綺麗に左右揃って並べられているし。
忘れ物かな?って思ってても、誰も取りに来ない。

誰の物かもわからないし、ずーっと放置しているわけにもいかないからさ。
ゴミ拾いのボランティア活動の時に、ボランティアの人が回収しようとしたんだって。
でも、長靴を拾えなかったの。
なんでだと思う?
私はね、長靴の中に、野生の猫とかが入ってたんだと思ったの。
ほら、住処として使われていたのかな~ってさ。
子供用だから小さいけど、子猫なら入りそうだし。

拾えなかった理由は私の予想とは全然違くってさ。
動かせなかったんだって、長靴が。
重かったとか、そういうレベルじゃない。
もう、地面と一体化してるんじゃないかってくらい。
安全靴みたいなやつじゃない、普通の長靴だよ。しかも子供用。
素材も、そこら辺の靴屋で売っているようなやつ。
それが、動かせないの。持ち上げられないの。
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